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【進撃の巨人】月と青い鳥

第15章 囚われていた鳥達



「夢じゃない?夢じゃないよね?」


「あぁ…夢じゃねぇよ本物だ――お前も本物か?」



リヴァイの手が私の頬を包むようにして触れると唇がゆっくりと触れた

それから啄むように何度も触れて最後はギュッと抱きしめた後 涙で汚れた顔をシャツの袖で拭ってくれた



「夢じゃねぇだろ?」


「うん―…お帰りなさい」


「ただいま…はぁ…―すげぇ疲れた――」


リヴァイは毛布ごと私を抱きよせて そのまま踊場の床に寝転がり空を見た



「大丈夫か?」

「うん…帰ってきてくれてありがとう」

「俺が帰りたい場所はカナコの所しかねぇからな…必ず帰ってくるさ――」


いつもより疲れた顔をしたリヴァイが私を見て笑った 毛布ごしの感触では物足りなくて体をねじり毛布を取り リヴァイの汚れた胸元に顔をよせ空気を吸い込むと鼻にツンと臭いが広がった


















憲兵団が各集落へと避難指示に駆け回った2日後 調査兵団にもやっと帰還命令が下り
十分な休みも食事も取れず 疲れた体と臭せぇ体にうんざりしながらトロスト区の兵団支部へと帰還した


薄暗い兵舎内をカナコを探し歩く…血と消毒液の臭いがする方へ歩いているとアリソンに会った

カナコは?――と聞く前にアリソンが先に口を開いた



「リヴァイお帰りカナコを探してるんでしょ?外階段にいるよ
壁が壊されてから あまり眠れてないって言って…目は窪んですごく疲れた顔してた―…」




アリソンが指した建物の外階段を登って行くと しゃっくりのような喉が鳴る音が聞こえてきた

階段を登った先の踊場には頭から毛布をかぶり体を丸めて寝たふりをしたカナコがいた




「カナコ」


頭を撫で隣に座ると隠していた顔を出す

アリソンが言った通り目の下の隈が濃くてひどい顔だった どんなにひどくてもカナコの顔を久しぶりに見たら自然と顔が緩み「ただいま」と笑って言えた





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