第15章 囚われていた鳥達
「突破―…?何で分かるの?」
「あの巨人が壁を壊した!
そうじゃなきゃ ここまで壁の破片なんか飛んでこないよ!」
回りを見ると 疲れきって帰還した団員達が 再び立体起動を装備する人 補給に走る人で騒然としていた
「装備を確認しろ!動ける者は直ちに町へ行き市民を守れ!」
ミケの声が聞こえた
「そんな……今帰ってきたばかりなのに―…」
「カナコ!しっかりして!!
私も今から装備をして避難誘導にいくから カナコはちゃんと逃げて!」
「私も…」
私だけ逃げるの? みんなが――怪我をしている団員が――…また戦いに行くのに……
「戦場は出来る人にまかせて 戦えない人はそれを邪魔しない!
カナコはカナコに出来る事をして!動けない団員を荷馬車に乗せて船に逃げる!分かった?」
「カナコ!!」
ミケが私を見つけて来てくれた
「リヴァイはエルヴィンの指示で町へ行った お前はアリソンに指示をあおげ分かったな? ジゼル準備が出来たら急ぎ市民の避難誘導をしろ」
ジゼルは「了解しました」と言って備品庫へと走って行った
白い煙を見ていた私にスッとミケが手を近づけて いつもの無表情のまま私にデコピンをした
「ぐぇっ!っ…いった!!」
「なんだお前はいつも反応が可愛くないな……ぐぇっ―ってなんだ?」
「目茶苦茶いたいっ…!」
額を擦りミケを見た
「痛いだろ……カナコ慌てるな 避難訓練は覚えているだろその通りに行動しろ
怪我で動けない団員の中に俺の分隊の者もいる―……任せたぞ」
大きな手を私の頭に乗せ ミケは優しく微笑んだ
「はい了解しました」
私が敬礼をすると ミケもトンと敬礼を返してから また指示を出しに戻っていった
私に出来る事をする―…
重傷者のいる方へ私は走っていった