第2章 新しい生活
椅子に座る私の後ろでリヴァイがさっきからうるさい
「本当にいいのか?別に切らなくても…」
2人で相談して家に居てもいつ誰から見られるか分からないから毎日ウィッグだけは付ける事にした
毎日となると30cm位ある長い髪を毎回まとめる のが面倒だと思い 思いきってショートにする事にした
「ねぇ髪をショートに切って」
切った髪が服に付かないようにケープもどきを新聞紙で作り首から巻いた
床にも新聞紙を敷き掃除がしやすいようにして 私は椅子に座り準備万端なのだ
ただリヴァイは渋る…せっかくの綺麗な黒髪が勿体ないと言う
確かに私の髪は癖のない綺麗なストレートだった
でもすっとんとんのストレートはアイロンで巻いても形を保てないし なによりもボリュームがなくて余り好きじゃない
「髪はまた伸びるからいいの!」
しびれを切らした私がリヴァイからナイフを取り左側の髪を一束掴みザックリと切った
切れた髪はパラパラと下の新聞紙の上に落ちる
「はい 続きはよろしくね!」
ナイフをリヴァイに返す
「ホント…思い切りがいいよな…」
呆れたようなため息をつくと 少しずつ丁寧に髪を切っていく
裁縫とか折り紙とか細かい事は苦手なリヴァイだけど刃物を使うのは上手くて
他人のヘアカットは初めてだと言ってたわりには なんかいい感じに仕上がっていた
赤毛のウィッグを被る 水色の眼鏡をつけて最後にマントのフードを下ろすと 私の変装の出来上がり
「ねぇ…これで男の子の服にすればもっといいよね?」
10歳なのだ まだ体は女になっていない
「…そうだな それがいいだろう」
「でもさ…せっかく買ってくれたワンピースとかもう着れなくなるのがね…勿体ないなぁ」
元の世界の服はプリントされた模様とか化繊の生地が壁内には無い物だったから木箱の底で眠ってる
お下がりのブカブカな服をリメイクしてワンピース風にしたり
リヴァイが買ってくれたワンピースもあった
今日着ている濃いベージュ色のワンピースもリヴァイが買ってくれた物で ポケットと袖口に刺繍を入れて可愛いくしていた