第2章 新しい生活
裁縫道具は日本とほぼ同じのがあった 刺繍糸の色の種類はあまりなくて 取りあえず 赤 ピンク 緑 黄 青 を買った
リヴァイが言うには階段を登った先の王都だともっと品数も多いし高級品もあるのだと言った ただ 階段の通行料が高くてなかなか行けないらしい
地下街は治安が悪いとはいえそれなりの数の住民がいるから 市場もにぎやかなんだけど 置いてる品はたしかに余り良品ではないのは見ていて分かった
多分 良品を置いた所で住民は買わない そんな嗜好品にお金をかけるなら食品を買うんだろうな…と半年しか居ない私も思う
リヴァイはちょこちょこと立ち止まり窓から店内を見る私に 「買わないくせに…」と雄弁に視線が語る でも「早くしろ」とか「真っ直ぐ歩け」とかは言わずに黙って私の自由に歩かせてくれた
都合のいい事に小さくなったのは体だけではなくて服と靴も10歳くらいになった私のサイズに縮んでいたから良かった
替えの服はリヴァイのお下がりが何着かある はいていた靴はnew ○alanceでまだ大丈夫だけど地下街では浮いてる 後…下着がない シャワーの時に洗って干して朝にはいてる…
そう私はこの半年夜はノーパンだし下着は1枚しかない これは由々しき問題なのだ!
しかし下着屋がない…もうこれは恥ずかしいけど聞くしかない
「下着と靴を買いたいけど何処に売ってるの?」
「あぁ…それなら ジルじいさんの店に行くか」
メイン通りから脇に入った細い通路の先に小さな小間物屋さんがあってそこが
【ジルじいさんの店】だった
四畳くらいの小さな店内は天井ギリギリまで棚があり 色んな商品が並べてあった
「久しぶりだなリヴァイ」
「元気そうだなジル」
リヴァイはカウンターの奥にいた背の高いおじいちゃんと話し始めた
家から出る事を禁止されている私はリヴァイが誰かと話しているのを初めて見た
私と話す時よりは少しだけ余所行きな感じが新鮮だった
「あの娘はどうした?」
「ちょっと事情があってな世話してる じいさんの服…あの補修の仕事はカナコがやった
カナコ!お前の仕事の客だ 挨拶でもしておけ」
「はい!ご依頼ありがとうございます」
「あの補修を…こんな小さな子供がしてたんか…」
私の補修の腕を気に言ってくれて店の客に声を掛けてくれていたらしい