• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【HP】怪鳥の子

第59章 棘


「でも、それは----」

 口を開いてから、ミラは言葉を止めた。

 使わなければならない時は使う----そう言おうと思ったけれど、顔を青ざめさせているハリーを見て言葉を変えた。

「使い方を間違えた場合、ですよね?」

 マクゴナガル先生の眉が僅かに動いた。

「そう言う問題ではありません」
「でも、ちゃんと制御できるようになれば問題ないはずです」
「その制御を、今の貴方の体では十分に行えていないと言っているのです」
「じゃあ、できるようになれば----」
「ミラ」

 ハリーだった。ミラはマクゴナガル先生からハリーへ視線を変えると、ハリーは深刻な顔でミラを見ていた。

「君、分かってる? 命を縮めるって言われたんだよ」
「分かってるさ」
「だったら----」
「分かってるって」

 思ったより強い声が出てしまった。ミラはすぐに後悔したが、ハリーは口をつぐんでしまった。怒りたかったわけじゃなかった。ハリーは何も悪くない。

「…ごめん、そう意味じゃなくて」

 ミラは額に手を当てた。どう説明すれば分かってもらえるのか、ミラは痛む頭で考えた。

 怖くないわけではない。それよりも、この力を使えなくなることの方が、ミラにはずっと困ると思った。

「先生」

 ミラはマクゴナガル先生へ向き直った。

「私は別に無茶苦茶に魔法を使いたいわけじゃありません」
「それは承知しています」
「それなら----」

 この力をもっと使えるようになりたい。

 もっと強くならなければならない。

 次に何かあった時、何もできないのは嫌だった。

 そこまで考えて、ミラはハリーを見た。秘密の部屋でトムにやられた自分を助けてくれたハリーの上衣は、血に染まっていた。不死鳥が治してくれたと、あとから教えてもらったが、自分は大事な場面で何も役に立たなかった。

 ----ハリーを守れるなら、自分がどうなってもいい。

 そんなことを口にすれば、ハリーがどんな顔をするかくらいわかる。
/ 843ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp