第59章 棘
ミラが目を覚ますと、自分の周りが白いカーテンで囲まれていた。そこが医務室だと気がつくまで、そう時間はかからなかった。
「ここは----っ!」
少し痛む頭を押さえながら、ミラは医務室のベッドから出てカーテンを開けた。窓の外はすでに暗く、何時間も寝ていたことに気付かされる。ちょうど他の生徒の様子を見て回っていたマダム・ポンフリーが、ミラの存在に気が付くと、有無を言わさず「今日はここに残ってもらいますよ」と言った。
「私は別にどこも悪くないです」
「そうですか? 顔色がよくないように見えますよ」
マダム・ポンフリーはミラの前に立ちはだかると、ミラは渋々ベッドに腰を下ろした。
「気分はいかがですか?」
「…別に、普通です」
マダム・ポンフリーから無言の圧力を感じると、ミラは渋々頭が痛いことを伝えた。
「スネイプ先生が貴方を運んで来たんですよ」
「…スネイプ先生が?」
ミラは疑わしくマダム・ポンフリーを見たが、マダム・ポンフリーは頭痛薬を持って来て、ミラに手渡した。
「ええ。珍しく慌てた様子でしたが----」
「ミラ、起きたんだ!」
医務室にハリー、ロン、ハーマイオニーがやって来た。
「先ほど目覚めたばかりです。あまり長居しないように」
「わかりました、マダム・ポンフリー。ありがとうございます」
三人はミラのベッドまで行くと、三人はサイドテーブルに大広間から持って来たであろう夕飯の入ったお皿を置いた。
「気分はどう?」
「うん、さっきマダム・ポンフリーから薬をもらったから気分はいいけど…今日はここに残れって言われた」
「マダム・ポンフリーの言う通りよ」
と、ハーマイオニーが心配そうにミラを見て言った。