第59章 棘
「先生は、みんなに質問を出したじゃないですか。ハーマイオニーが答えを知ってただけですよ!答えて欲しくないんなら、なんで質問したんですか?」
と、ロンが大声で言った。ミラは驚いてロンを見た。
「ロン…」
言い過ぎた、とみんなが咄嗟にそう思った。
教室中が一層緊張に包まれ、息を潜める中、スネイプ先生がゆっくりロンに近づいて行った。
「処罰だ、ウィーズリー。さらに、私の教え方を君が批判するようなことが、再び私の耳に入った場合には、君は非常に後悔することになるだろう」
スネイプ先生は教壇に戻り教室を見回すと、まだ席から立ち上がっているミラが目に入った。
「ミス・グローヴァー、座るんだ」
「----んで、」
ミラは両手を力一杯握りしめて、スネイプ先生を睨み付けた。
「なんでこんな理不尽なことするんですか、私たちが先生に何かしたんですか?」
ガタガタと、窓が風も吹いてもいないのに小さく揺れ出した。ミラはキーンと響く耳鳴りが聞こえた。
「座れと言ったのが聞こえなかったのか」
「うるさい!!!」
ミラが大声を出すと、ピシ、ピシッと、あちらこちらの窓ガラスにヒビが入った。窓の近くにいた生徒は悲鳴をあげた。しかし、スネイプ先生は驚きつつも、ミラから目を離さなかった。
「気に入らないからって黙らせて、何が楽しいんですか? 見てて楽しいんですか? 自分のお気に入りじゃないなら、何を言ってもいいんですか?」
ひび割れていく窓ガラスが、ミシミシと嫌な音を立て出した。
「ミラ…」
ハーマイオニーが小さく悲痛な声がミラを呼んだが、その声はミラには聞こえなかった。
「アンタ達みたいな大人が理不尽を振りかざして、反論できないように脅して、なんで大人ってそんなに汚いんですか」
「黙るんだ、グローヴァー----」