第58章 切り裂かれた『太った婦人』
先生方は、何かと理由をつけてハリーと一緒に廊下を歩くようになり、パーシーはふんぞり返った番犬のように、どこへ行くにもピッタリと付き添っていた。
そしてハリーと一緒にいるミラも、t当然のようにパーシーの監視対象にしっかりとはいってしまい、そのことにミラは不機嫌さを隠せなかった。
さらにマクゴナガル先生の自室に呼ばれた時には、改めて釘を刺された。
「もうお分かりでしょうが、あの力を使うことがないよう、先に忠告しておきます」
マクゴナガル先生はどこか憂いを帯びた表情で言った。
「----いつ、使っていいんですか、この力は」
「…今はその時ではありません、ミス・グローヴァー。いずれその力を制御する術を教えします----しかし、今はその力に耐えれる体にしなくてはいけません」
「もっと太れってことですか?」
ミラは不貞腐れたように口を尖らせた。
「----私の言いたいことは、わかっているでしょう、ミス・グローヴァー」
しかし、マクゴナガル先生の意志は曲がることなく、厳格な眼差しでミラを見つめ返した。
マクゴナガル先生が自分のことを心配してくれていると分かりつつも、ミラは憤りを感じていた。いつになれば、この力を自由に使っていいと言ってくれるのか。
耐えられる体になれるのは、いつの話なのか。一年後、二年後、それともそれ以上なのか。ミラはマクゴナガル先生は、この力をずっと使って欲しくないんじゃないか----そんな考えさえ頭をよぎるようになった。
「…はい、先生」