第58章 切り裂かれた『太った婦人』
ミラはさらによく聞こえるように、顔を少しダンブルドア校長のいる方へ向けた。
「セブルス、いかにも」
「どうも----内部の者の手引きなしには、ブラックが校内に入ることは、ほとんど不可能かと。私は、校長が指示されたときに、確かに忠告申し上げました----」
「この城の、内部の者がブラックの手引きをしたとは、私は考えておらん」
と、そういったダンブルドア校長の言い方には、これ以上スネイプ先生は答えなくてもよろしいという、キッパリとした調子がだった。
「私は、ディメンターたちに会いに行かねばならん。捜索が終わったら、知らせると言ってあるのでな」
「校長、ディメンターは手伝おうと言わなかったのですか?」
と、パーシーがダンブルドアに尋ねる声が聞こえた。
「おお、言ったとも。だが、私が校長職にある限り、ディメンターにはこの城の境界線は跨がせん」
そういうや否や、ダンブルドアは足早にそっと大広間を出て行った。
スネイプ先生もしばらくその場に佇んだ後、不満の表情を浮かべて部屋から出て行ってしまった。
ミラは目を開けると、ハリーと目がばっちり合った。
「いったい、どうするんだろう」
「色々考えることがありそうね」
ロンとハーマイオニーの呟きが聞こえた。どうやら誰も眠らず、先生たちの話を聞いていたようだ。