第58章 切り裂かれた『太った婦人』
「なんか変だったぞ。まるで君にまで喧嘩売ってるみたいだった」
「……知らない、あんな馬鹿」
ミラはぶっきらぼうに答えた。
だが内心では、ロンの言葉を否定できなかった。
(なんで今日はこんなに揺さぶられるんだ)
今朝もそうだった。
ハリーと口論になった後、「もう少し自分のことを考えろ」と言ったかと思えば、その後は相変わらず意地悪なことばかり言う。
ホグズミードでもそうだった。
マグルの話を持ち出して揺さぶってきたと思えば、「このことは僕の中だけに留めておいてやる」などと言い出した。
そして今も――。
『せいぜい今夜はポッターの子守でもしてやるんだな』
思い出しただけで腹が立つ。
(誰が子守りだ)
ミラは寝袋を広げながら眉をひそめた。
「ミラ、」
「みんな寝袋に入るように!」
ちょうど近くをパーシーが通り、ハリーの声は遮られた。
首席の徽章をピカピカ光らせながら、パーシーが忙しなく歩き回っている。
「ほら、聞こえただろ!さあ、さあ、おしゃべりしてないで入るんだ!」
誰かを注意する声が聞こえた。
生徒たちは渋々寝袋に潜り込み始める。
ミラたちも服を着たまま寝袋に潜り込んだ。ロン、ハリー、ハーマイオニー、ミラの順に並んで頬杖をついた。