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《ヒロアカ短編集》角砂糖にくちびる

第24章 鳥かごは無色透明《後編》 ◉鷹見啓悟※



「せ、先生!疲れすぎ、です・・!」

徹夜続きだからって、しっかりして下さい、何してるかわかってるんですか、こんなの即懲戒免職ですよ、最近猫ちゃんの集会が無いからって!私じゃ代わりになりませんよ、!

じたばたと暴れて必死に声を上げる私に、驚いた様子の相澤先生が小さく肩を震わせ始める



「ちゃんと寝ないから、こんな・・っ」


健康状態を把握したところで、何が起こっているのか全く理解できないままじわりと視界だけが滲んでいく
何本か萎れかけている花々が蛍光灯に照らされて



「・・じゃあ、試してみようか」

「や・・っ、」

「最近猫が来なくてね」

楽しげに私を見下ろすと絡められた指先、解きたくてもびくともしない強い力に私は悔しくて唇を噛む






啓悟くん、助けて、

叶うはずのない言葉を心の中で叫ぶと思い出される彼の温もり、漏れそうになる嗚咽を必死に飲み込んで




「来たか」

そう呟いた相澤先生が横をちらりと見遣ったその瞬間、大きな音を立てて保健室のドアが開いた







「あ、あの・・っ、失礼します・・!」



ふわりと揺れた髪、部屋の入り口に呆然と立ち尽くした彼女が私を見て唇を震わせている


よりによって、ああどうして、誤解されても仕方のない状況、この人は相澤先生を想っているのに、

深く傷ついた表情で私を見つめる彼女は今———






「遅かったな、撒かれて焦ったか」

「違うんです、これは・・っ」


私の言葉が届いたのかはわからない、何も言わず悲しげに寄せられた眉が私の胸を抉る
ちがう、勘違いなの、信じて、そんな無駄な言葉たちばかりが頭の中を駆け巡って




「俺が本気になれば」

いつだってこうする事ができる、挑発的に響いたその声が首元に近づいて、私は呼吸を止める
髪がシーツに広がると露わになった彼の印、消えかけているそれに相澤先生の黒髪が触れた




「・・・・」


「これ以上、俺を不快にさせない方がいい」



次は無い、ギロリと睨まれた彼女が諦めたように浅く息を吐いて

突然変わったその表情、能面のように温度を無くした彼女の口元が軽い舌打ちを響かせて、私は言葉を失った
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