• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第53章 恐怖を讃えるコラール【渋谷事変】


『一秒やる。どけ』

 四つの眼がジロリと睨んできて、漏瑚は反射的に飛び退き、距離をとる。心臓は壊れたのかと思うほど暴れていた。

 これが、宿儺……!

 五条 悟とは異質の強さ!

 圧倒的 邪悪!

 互いの一挙手一投足の全てが死因に成りうる恐怖!

 自分の顎を掴む漏瑚の腕の先を消し炭にしながら、虎杖――否、宿儺が立ち上がり、煩わしそうに前髪をかき上げる。

 呼吸をすることすら罪なのではないかと錯覚するほどの気迫に、身体の震えが止まらない。


『――頭が高いな』


 ため息とともに吐き出された言葉に、漏瑚は無意識に片膝をついていた。

 なんだ、身体が勝手に――……。

 隣では、双子が互いに身を寄せ合い、ガタガタと恐怖に震えながら土下座するように頭を下げる。

 不意にキンッと額の先が斬られ、バツンッとトイレの壁に亀裂が走った。ドクドクととめどなく流れる血に身も凍るほどの恐怖が募る。

『片膝で足りると思ったか? 実るほどなんとやら、だ。よほど頭が軽いと見える』

 そして、宿儺は視線を双子に移動させ、ポケットに手を入れて見下ろした。

『ガキ共、まずはオマエらだ。オレに何か話があるのだろう。指一本分くらいは聞いてやる。言ってみろ』

* * *

/ 1068ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp