第55章 永久を願うコン・アモーレ【渋谷事変】
「よかったのか、灰原?」
せっせと消費した【折神】を補充するべく折り紙を折っていると、家入に声をかけられた。
「お前も星良が好きだったんだろ?」
ふと灰原は手を止め、満面の笑みを浮かべる。
「はい! でも、僕は星良ちゃんと同じくらい、七海のことも好きです。だから、嬉しいんですよ。大好きな子が、大事な友達と結ばれて」
最初は妹のように感じていた星良への感情は、次第に恋愛感情へと変わっていった。
だが、それでも彼女からの恋愛相談を受け続けたのは、応援したかったからだ。
七海と星良が結ばれて、幸せになる姿を見たい。その思いに、微塵も偽りはない。
灰原はピンクの折り紙を手に取り、山折り、谷折りを繰り返した。
「僕も早く、星良ちゃん以上に好きになれる子を見つけます。そして、二人に負けないくらい幸せになるんです。今から楽しみだなぁ」
祝福してくれる七海と星良を想像しながら、出来上がったピンクのハート形を眺める。
「いいヤツだな、お前は」
「ホントですか? ありがとうございます!」
ハートの折り紙を取り上げて口角を上げる家入に、灰原は元気よく礼を言った。
「今度 メシ奢ってやるよ。何がいい?」
「え~、悪いですよ。じゃあ、焼き肉で!」
カーテンの隙間から寄り添う七海と星良が見える。二人のその様子に、灰原は自然と微笑を浮かべた。