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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第52章 波打つグルーヴ【渋谷事変】


「分かった」

 先を急ぐ伏黒に続き、渋谷マークシティの戦闘の痕跡を追う。そして――見つけた。

「なに、これ……人の、骨……? こんなに……」

「残穢からして特級。真希さんたちもここに……」

 だが、釘崎や順平が戦った痕跡はない。
 釘崎なら釘が、順平なら刺突の痕跡が残るはずだが見当たらなかった。どこかのタイミングで分かれたのか?

 まさか、戦闘不能になるほどの怪我を負ったんじゃ……。

「おい、詞織。あれを見ろ」

 不安が過る中、伏黒が詞織を促した。示した先に、夥しい呪力の気配を纏った球体が浮いている。

「あれ……まさか、領域……⁉」

 自分でも顔が青ざめていることが分かった。自分たちの推測が正しいとしたら、真希や直毘人、そして おそらく七海が、特級呪霊の【領域展開】に閉じ込められている。

 どうする? 領域に入ること自体は難しくない。
【領域展開】は相手を閉じ込めた瞬間に勝利を約束する。入るメリットがないから外側を強化する必要がない。

 けれど、自分たちが加わったところで、果たして戦力となれるか……。

 必死に打開策を考えるも、否定ばかりが頭の中で渦を巻く。そこへ、伏黒が固い声音で「詞織」と名前を呼んできた。

「領域を展開しろ」

「メグ? でも……わたしの領域じゃ……」

「俺に考えがある。俺の領域は不完全、オマエの領域は未熟。俺たちじゃ二人揃っても特級の領域を押し返すことはできない。けど、勝機がないわけじゃない」

 伏黒の作戦はこうだ。

 特級の領域の縁(へり)に領域を展開する。力比べは詞織が担当。伏黒の領域より、詞織の領域の方が精度が高いからだ。

 詞織が特級の領域を押しやっている間に、伏黒は領域の外への出口を作り、真希たちを外へ逃がす。
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