第51章 モレンドに敬意を表して【渋谷事変】
「ガッ……⁉︎」
――【赤血操術『血星磊(けっせいせき)』】
出血が止まらない。身体から血の気が引いていく。どんどん体温が下がっているはずなのに、貫かれた箇所は燃えるように熱い。
もう飛び道具はないと油断していた。
何だ⁉ どこをやられた⁉
前に真人や順平に身体を貫かれたことはあったが、そのときとは違う。
壊れちゃいけないところ――おそらく、臓器を傷つけられた。
負ける……死――……。
――「また死んだらゆるさない!」
――「そのときは俺がオマエを殺す!」
ダンッと虎杖は足に力を入れて踏ん張った。
深く重く息を吐き出し、覚悟を決める。
死への恐怖を呪力へ変え、冷静に雑念を振り払った。
――理解した、俺の役割。
伏黒が、詞織が、釘崎が、順平が……七海が、先輩たちが、皆――ここを通って、五条のところへ行けるように。
“死んでも”、コイツを戦闘不能にする。
五条を助けるのは、自分じゃなくてもいい。
「――来い」
血液を鎧のように纏わせた拳を構える脹相に、虎杖は込み上げる血を口の端から零しながら 感覚を研ぎ澄ませた。
* * *