第50章 止まらずに進むセグエンテ【渋谷事変】
「吉野君は?」
「呪力で防いだんで、見た目ほどは……特訓の成果かな」
痛いけど、と言いつつも笑みを見せられるだけ、本当に大丈夫なようだ。順平の様子に安心した。
「では、まず最初に情報の確認をします。五条さんが敵によって封印されたことは知っていますか?」
「はぁっ⁉︎」
「五条先生が封印⁉︎ それってどういう――……」
もしその話が事実なら、日本の崩壊だ。
「まずいわね」
「そうだよ。先生がいないとこの任務は……」
順平の言葉に釘崎は「そうじゃない」と首を振った。
「よく考えてみて。五条先生は最強の呪術師……つまり最強の抑止力よ!」
「抑止力……じゃあ、先生がいなくなっちゃったら、呪霊や呪詛師が……」
そう。五条 悟にビビって大人しくしていたヤツらが動き出すことになるだろう。
「それだけじゃないわ。先生が反対を押し切って助けた連中も危ない。虎杖とか詞織とか……たぶん、他にもいるだろうけど……後ろ盾がなくなった今、生かしておく理由がなくなった。たぶん、虎杖は真っ先に殺される」
詞織に取り憑いている詩音は、制御状態でギリ特級に届かない分まだマシだが、逆に言えば、詞織の命令さえあれば何をするか分からないということ。等級や力を根拠に楽観視はできない。
順平が小さく悲鳴を呑み、顔を青くさせた。