第20章 行方不明
「ナナたちを探すんだろ?ボクも手伝う!きっとまたロケット団のしわざだ!」
「どうだかな」
「なにか知ってるの?」
「いや、知らないから、確かめにいく」
そう伝えて歩みを再開する。ポケットの中、拳を強く握り締めた。
当然、おせっかいなヒビキは黙ってるわけがない。
「待ってよ!またひとりで無茶する気だろ!ボクも協力する!」
ほらな。思った通りの反応。
「そんなに手伝いたいなら勝手にしろ。ただし、オレはオレのやり方で動く」
言い争う時間すら惜しかったからそう伝えた。
「わかった。絶対にナナたちを見つけよう!」
あいつらが試合を無断で休むはずがない。何か事件や事故に巻き込まれていると考えるのが妥当だ。
ここに来る直前、ハンサムから聴取を受けたから、既に国際警察も動いているのはわかっている。
だが、捜索する人数が多いに越したことはない。
「……ああ、頼んだ」
振り返って目が合うと、ヒビキは決意を込めた顔つきで頷いた。
「——現在、行方不明となった出場者の捜索を進めている!厳戒態勢の中でWPMを開催してきたが、事態が解決するまでこれ以上の開催は危険と判断した。今は観客および選手の安全を最優先する!」
スピーカーから響くライヤーの説明を背に、スタジアムを後にした。
開けた草むらに移動してホウオウを呼び出すと、ボールから出てすぐにその場で首をもたげた。
「はやく乗れって?オレが考えていることはお見通しってわけか」
ホウオウの背に跨る。
「Nたちを探す。手伝ってほしい」
優雅な鳴き声と共に、虹色の翼が日の光を反射してきらめいた。