第20章 行方不明
ロケット団のアジトについては、普段から修行をしながら、怪しげな洞窟や隠し通路を見つけて地図にチェックをつけていたから、ある程度目星はついている。
「まずは北から順に当たってみるか」
ポリゴンフォンの地図アプリを眺めながらホウオウに方角の指示をしていると、ふいに雲の向こうに影が見えた。影は方向転換しながら、こちらに向かってくる。
「よお!シルバー!」
グリーンとピジョットだ。声がしたと思ったら、あっという間にオレの横に並んでいた。相変わらずすごいスピードだ。どんだけ鍛えてやがるんだか。
「ヒビキから連絡があった。お前も捜索手伝ってくれるんだな!助かるぜ」
ハキハキした声に反し、グリーンの顔は焦燥しきっていた。きっと、行方不明になってからほとんど寝ずに捜索しているんだろう。
「現時点でわかっていることを情報提供してほしい」
「もちろんだ」
グリーンの話に黙って耳を傾ける。
ふたりがいなくなったのは2日前。その日は昼までチームで特訓をしていて、オレと別れたあと、ヒナギク博士の依頼でトゲピーを散歩に連れていったという。以降の足取りは、移動式遊園地での目撃情報を最後に途絶えている。
国際警察の情報も訊ねると、パシオにいる各組織にスパイを潜ませて情報を集めているというが、決定的な情報は掴めていない。
数日前からポケモンの強奪事件が増えていること、そして現時点で確認されている行方不明者はナナとNのふたりだけ。わかっているのは、その程度だった。
オレがあいつらの失踪を知ったのは、昨日ワタルから連絡が入ってからだ。その時に聞いた内容と、ほとんど変わっていないということは——
「…昨日からほとんど進展はなし、か」
「…ああ」
グリーンは悔しそうに歯噛みした。
「お前の言う通り、手がかりも有力な情報もなにも掴めてねえ。ついに見つからないまま準決勝を迎えちまった」