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【ポケモン】パシオで恋して

第19章 観覧車




近すぎる視線に息が詰まりそうになりながらも、じっとNの目を見返す。

深く、底が見えない湖のようなエメラルド。

覗き込んでうっかり落っこちたら、溺れてしまいそうだ。

「……Nはすごいね。私は恋の楽しさとかドキドキとか、良い部分ばかり考えちゃうからさ」

素直に尊敬してそう伝えたのに、Nの瞳に翳りが生じる。

「……やはり、ボクはコイを知らないから、そういう面ばかり見えてしまうのだろうか」

「ううん、きっと純粋でまっすぐなんだと思う」

「いいや、知らないから理想ばかりを求めてしまうんだ。彼とキミのどちらも、ボクにとっては大切なトモダチだから……」

「彼」というのはきっと——

「…白黒つけろって、ちゃんと答えを出せってことだよね?」

私の言葉に、Nはハッとしたように目を見開いた。

「いや、ボクは…」

Nは、膝の上で指を組んで目を伏せた。

「…トモダチが、悲しむ姿を見たくないんだ」

どこか痛みを抱え込んだような表情でそう呟く。なぜか当事者ではないN自身が傷ついているように見えた。

Nは、優しすぎる。

「たとえコイビトでなくたって、その想いは本物のはずだ。寄り添って眠るキミたちを見て、ボクはそう思った」

Nはきっと、私が寝ぼけて医務室のシルバーくんのベッドで寝ていたことを言っているんだろう。

「あ、あれはさ、本当に寝ぼけてて…」

動揺は隠せず、そのまま声の震えとなる。

「ほんとにさ、なにやってんだろうね私……」

「でもボクと別れたあと、会いに戻ったんだろう?」

「忘れ物を取りにね。そしたら辛そうにしてて、看病してたらつい寝落ちして…」

「そうだったのか…」

たとえ寝ぼけていたとしても、異性のベッドで添い寝なんて普通はしない。

風邪で寝込んでいる相手になんてことをしてしまったんだと、申し訳ない気持ちでいっぱいになって、胸の奥で言い訳と後悔がぐるぐる混ざる。

「すまない、キミをそんな顔にさせるつもりはなかった」

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