• テキストサイズ

【ポケモン】パシオで恋して

第19章 観覧車



「昔のボクは、ポケモンを解放させるという信念に突き動かされていた。けれどトウヤはそんなボクに、ポケモンとヒトの可能性を教えてくれた。そして彼はレシラムに認められ、ボクとの決戦で、ポケモンと共存する世界を勝ち取ったんだ」

話し終えると、Nはゴンドラの窓越しに流れる景色へと視線を向けた。その表情はとても穏やかで、大事な人の名前を心の中でなぞっているように見えた。

「キミにも、世界が変わるきっかけってあったのかい?」

「世界?世界が変わるかぁ…」

視線を上げ、思案する。スケールの大きな話のあとに自分のことを考えると、なんだかちっぽけに思えてしょうがなかった。

そもそも私は、Nに比べたら平和で平凡な世界で生きてきた。それまでの価値観や人生観に影響を及ぼすものを考えてみると、「世界が変わる」とはちょっと違う気がした。

「私は、世界が変わるというより世界が広がった、かな…!地図がどーんと広がるイメージ!」

「なるほど。その話、もっと聞かせてほしい」

「そんなに面白い話でもないけど——」

と、前置きを添えて、私のカントーとジョウトの旅話や、パシオでNに会うまでの日々を話した。

はじめての冒険、ポケモンたちとの出会い、ジム巡り、挑戦と挫折。いろいろあったけど、パシオに来て、グリーンときずなの大会に出たのが何よりも大きな変化だったように思う。

私にとってあの大会は、努力が結果になった初めての経験だった。あれがきっかけでWPMに挑む勇気が湧いたし、自信がなくて引っ込み思案だった昔と比べたら、随分変われたかもしれない。

特にこれといって特徴もない、ささやかな自分のこれまでの歴史を振り返って話しただけなのに、Nは時折相槌をうちながら、楽しそうに聞いてくれた。

「キミもそうやってポケモンと旅をして世界を知ったんだね」

「うん、それにね、Nも私の世界を広げてくれたひとりだよ」

「そうなのかい?それはなぜ?」

「WPMに出ることができたのもだけど、ロケット団と戦ったり、パシオアカデミーで調査したり、料理作ったり、大変だったけど楽しかったなあって思って」

/ 503ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp