第18章 決戦、看病、そして一夜
自分の声で目が覚めた。心臓は早鐘のように鼓動を刻み、ズキズキと頭が痛む。
身体中汗だくだ。毛布をよけると、冷たい空気が汗ばんだ肌を冷やした。
そんな最悪な寝覚めの中、結ばれた左手を見やり、呆れ果てて笑うしかできなかった。
「ばかやろう」
夢でオレから去ったヤツが、両手でオレの手を包み込み、椅子に腰掛けて寝息を立てている。
「なんで…お前は…」
諦めさせてくれないんだ。
身体を起こすと、節々が軋み、熱で目眩がした。
起こさないようにそっと頭を撫でる。ナナは眠りながら小さく吐息をこぼした。
触れたらまた辛くなるだけなのに。オレはなにをやってんだ。
警告をしても、距離を置いても、こっちの気も知らねーで図々しく心の中に入り込んでくる。
追い出しても、拒んでも、出て行ってくれない。
「お前に移したら治るかな」
寝てるのをいいことにそんな軽口をたたいてみる。だが、ナナは呑気な顔で眠ったままだ。
触れちまえば、この苦しみから解放されるのだろうか。
奪っちまえば、胸の痛みは無くなるのだろうか。