第18章 決戦、看病、そして一夜
Nと解散して一旦宿舎に帰ったものの、うっかり部屋のカードキーを入れていたケースを置いてきてしまっていたので急いで戻ることに。
夜にひとりで出歩くなとは言われてるけど、人通りが多く明るいセントラルシティだから大丈夫だろう。そもそも、鍵がないから帰れないし、と頭の中で言い訳を並べながら早足で向かう。
無事何事もなく着き、シルバーくんが泊まっている病人用の個室のドアの前に立つ。起こすか心配になりながらも、控えめにコンコンとノックしてみた。
少し待って、返事がなかったので眠っているのだろうと判断し、そーっとドアを開けた。
部屋は真っ暗だった。電気はつけず、ポリゴンフォンで手元を照らしてキーケースを探すと、さっき私が座っていた椅子の裏に落ちていた。
足音を立てないよう、慎重に近づく。すると、寝返りをうった拍子にシルバーくんの額のシートがぽとりと落ちた。
「…う、うぅ…」
またうなされている。
ベッド脇の小さな明かりをつけると、額に汗を浮かべながら苦しそうに胸を上下させている。
枕の横に置いておいたタオルでシルバーくんの顔を拭く。額の汗をしっかりと拭ってから、新しいジェルシートを貼り直した。
シルバーくんは、冷たさに一瞬だけ眉根を寄せ、すぐに表情を緩ませた。
(こんなに辛そうにして…)
具合が悪かったなら、一言相談してくれてもよかったのに。
顔にかかった長い赤髪をそっと耳にかける。普段こんなことをしたら怒って大変だろうな。
(はやく元気になってね)
サラサラな髪から手を離す。
「おやすみ、シルバーくん」