第18章 決戦、看病、そして一夜
シルバーくんの顔にミントティーを近づけると、なぜかヘッドボードに背中をぴたりとつけて顔を強張らせている。
「ゲホ…おい…っ、なんだよいきなり…離れろ、近い…!」
逃すまじ、とベッドの両サイドからNと私でシルバーくんににじり寄った。
「ボクたちのラブ、受け取ってほしい…!」
「受け取って…そして、飲み干して!」
「やめろ、来るな…おいっ何を…——!!?」
ごくり。
「……のどがスーッてする」
そう言ってまた一口含み、ゆっくりとのどを潤している。
「…思ったより悪くない味だな、ミントか?」
「パシオで見つかった新種のミントなんだって。万病に効くってミモザ先生とヒナギク博士もオススメなの」
私とNもミントティーを淹れ、3人で束の間のティータイムだ。
「ペパーにも飲んでほしいな。なんて言うだろう」
「ねっ、驚くかな」
Nとペパーくんについて話し込んでいたら、ピピピと体温計が鳴った。
ベッドを見れば、シルバーくんは横になりながら、なにも言わずに体温計をこちらに見せてくる。
「38.7℃か。少し下がったけどまだ辛いね」
メモに測った時間と体温を残す。
「…あとはひとりで平気だ。もう夜だし帰れ」
「でも…」
「だから、大袈裟なんだよ…たかが風邪ぐらいで」
相変わらず突き放してくるシルバーくんの態度に、Nと顔を見合った。
「どうする?」
「ボクらがいることで、気になって休めないのであれば帰ろうか」
「たしかに、あとは寝るだけだもんね」
ちゃんと食事を摂ったし薬も飲んでくれた。なのでNと相談して今夜は解散、明日の朝また様子を見に来ようという話に落ち着いた。
「じゃあね、シルバーくん。テーブルにお水とか置いてあるからね」
「オヤスミ、シルバー」
背中に手を振ってそっとドアを閉めた。