第18章 決戦、看病、そして一夜
「さあ、口をあけて」
Nがスプーンをシルバーくんの口元に運ぶ。けれどシルバーくんはそれを拒み、スプーンを奪って自分で口に入れ、そしてものすごく熱がっている。なんせ破裂したおかゆだから、冷まさないと絶対にやけどする。
二口目は、フーフーして冷ましながら少しずつ口に含んでいる。スプーンが器と口を何度か行き来して、やがて器に置かれた。なんだかんだ半分は食べてくれたみたい。
シルバーくんは食事を終えると、風邪薬のカプセルを水で一気に流し込む。のどが痛むのか、軽くむせているのをNが背中をさすっている。
そんなやり取りを眺めながら、タイミングを見計らってミントティーを運んだ。
いろんな色・味・匂いが混ざって、なんともおぞましい色味にはなってるけど、私とNで味見はしてるので問題ない。自信作なのだから疑ってはだめだ。信じよう、私たちが作り上げたこの味を。
「シルバーくん」
額のジェルシートを貼り直しているシルバーくんに、ニコリと微笑みかける。手には耐熱ガラスの透明なティーカップ。Nと私の努力の結晶である、ハニージンジャーモモンミントティーが湯気とともに香りを漂わせている。
「…なんだよ…その不気味な顔と謎の液体は…」
シルバーくんは失礼なことを言いながら、なぜか顔を引き攣らせている。
「ふふふ、今の私はなにを言われても無敵なんだ。ちょっとね、今、自己肯定感的な何かが爆上がり中でして」
「はあ?」
ことり、とテーブルにソーサーを置き、その上にカップをそっと乗せる。
「だって、ねえ?N?」
「そうだね、ナナ。ボクらの解をシルバーに届けよう」
Nが微笑みをたたえながらゆっくりと両手を広げる。
「さあ、シルバー」
「シルバーくん」