第18章 決戦、看病、そして一夜
カーテンの向こうはすっかり日が落ちている。
「…なんでまだいるんだよ…」
目が覚めて、開口一番に悪態が飛んできた。
「なんでって…」
と、言いかけたところにNが部屋に入ってくる。
「おはよう」
シルバーくんはNの姿を視界に確認し、弱々しく嘆息した。
「Nまでいたのかよ…」
「ミモザ先生がね、医務室は閉めるけど個室なら泊まってもいいって言ってくれたんだ」
「そういう問題じゃない…」
不貞腐れるように、また寝返りを打ってこちらに背を向ける。やっぱり起きていると素直じゃない。
「食欲はある?おかゆならあるんだけど」
そう聞けば即答で「ない」と返ってくる。
「でも、薬飲んだ方がいいからちょっとは食べた方がいいよ」
今度は「ならはじめから聞くな」と言われた。私に対して相変わらず態度が冷たい。あからさまに距離を置こうとしてくる。
断られたけど、薬を飲むためにも少しは食べてほしい。拒否を無視して、Nがおかゆを温め、その間に私は風邪薬とミントティーの準備を進めた。
途中、レンジから軽い破裂音が聞こえてきたので慌てて止めにいった。どうやら容器に書かれていた加熱目安より高いワット数で温めていたらしい。Nはレンジを生まれて初めて使ったそうだ。不慣れなのに友のために真剣にレンチンするN。微笑ましくて泣いちゃいそうだ。
「できたよシルバー。少し食べてみてほしい」
Nがおかゆとスプーンが乗ったお盆をベッド脇のテーブルに置いた。
Nの声に、シルバーくんはのそりと身体を起こす。不機嫌そうな目つきは相変わらずだけど、どうやら食べてくれそうだ。