第18章 決戦、看病、そして一夜
「だが、べつの解とも比較したいね」
「だね、暫定1位ではあるけど、もうちょい工夫してみよっか」
その後、試行錯誤を重ねて何種類かの飲み方を編み出すも、どれもパシオミントという強敵を前にことごとく味と香りを打ち消されてしまう。
組み合わせた中では、はちみつ、ジンジャー、パシオミント、紅茶がよさげだけど、もう一捻り欲しいところだ。
ペパーくんのフルーツサンドはどういう材料の組み合わせだったか思い出せず、記憶力が高いNに聞いてみると、ミントの臭み消しにモモンのみを混ぜていたと教えてくれた。早速、モモンのみをすりおろして入れてみる。
「…これはッ!」
「おいしい…かも!」
はちみつとモモンのみのとろりとした甘さがマッチして、果実の香りで苦味を薄めている。軽い酸味は渋みを散らし、風邪の子供にも飲ませられるような“安心感のある甘さ”に仕上がった。
「随分回り道をしたけど、やっとたどり着いたね」
Nが安堵の表情を見せる。
「これならきっとシルバーくんも飲んでくれるはず!」
手探りで進み、ついに見つけた最適解。達成感に包まれて、どちらともなく見つめ合う。
Nは再度紅茶を口に含み、目を閉じて味わっている。
「これが…ボクとナナで作った、シルバーへのラブ…!」
「Nってば大袈裟っ」
「ここに至るまでにいくつもの組み合わせを試して、そのたびに仮説が崩れて……でもキミと一緒だからこの解にたどり着けたんだ!やはり料理という数式は無限の解があって奥が深い…!」
「う、うん、言ってること早口でほとんどわからないけど、私もNと同じ気持ちだよ」
Nってば、なんていい笑顔をしてるんだろう。
苦労を経て、私とNのきずながまた深まった気がする。
「よし、シルバーが起きるまで休もうか」
「そうしよう」
こうして、特製ハニージンジャーモモンミントティーが完成した。