第18章 決戦、看病、そして一夜
「お隣失礼します」
と言って、ベッドの隣に椅子を持ってきて座る。
久々のふたりきり。話したいこと、聞きたいことはたくさんあるけれど、今は看病のためにここにいる。なので不要な会話は極力控え、シルバーくんが眠りにつくまでそばにいることにした。
冷蔵庫でよく冷えたジェルシートのフィルムを剥がす。
「おでこ、冷たいからびっくりするかも」
と、先に伝えて前髪に触れると、シルバーくんが驚いたように目を開いた。
「な…にすんだよ!」
「シート貼るの」
「自分でやる…!」
シルバーくんは、強引に私からジェルシートを奪って雑におでこに貼った。乱暴に貼ったせいで、シートが斜めにずれてしまっている。
「ずれてるよ」
「うるさいな」
「…ねえ、シルバーくん」
呼んでも応えない。
「元気になったらさ、またいつも通りに戻っていいから、今は看病させて」
斜めになっているシートをそっと剥がすと、シルバーくんはまたそっぽを向いてしまった。
「最近、私を避けてるの、わかってる。でも、今日だけは…心配だから、お願い…」
具合が悪くて寝込んでいる相手に、こんなことを懇願するのはおかしいのかもしれない。
でも、どうしてもね、
「そばにいさせてほしい」
仲間だし、友達だし、大事な人だから。
シルバーくんは、振り返りゆっくりとまぶたを開いた。その鋭い目つきで私の存在を認めたくないと言ってくる。突き刺すような視線に、心がギュッて痛くなる。やっぱり、私が嫌なんだ。
そう思った時だった。
「なんて顔、してやがる…」
手の甲で僅かに頬を撫でられた。