第18章 決戦、看病、そして一夜
スタジアムからセントラルシティに戻ってきた私たちは、まっすぐ運営事務局に向かった。運営事務局には、突然の体調不良や怪我に備えて医務室があるとスタジアムのスタッフが教えてくれたのだ。
医務室のドアを開けると、退屈そうにネイルを眺めるミモザ先生がいた。私たちの姿が目に入るや否や、きゃぴっとした声が室内に響く。
「あらー、WPMのスターたち!どしたのー?」
「こんにちは!シルバーくん、熱があるみたいなんで休ませてもらってもいいですか?」
「具合悪いの?診たげるから入って入ってー」
ミモザ先生は、オレンジアカデミーの保健師であり、ここパシオではアカデミーの養護教諭をやっている。学校を見学させてもらった時に挨拶を交わしていて、ちょっとした顔見知りだった。
どうしてアカデミーではなく運営事務局の医務室にいるのか聞いたら、人手不足で手伝っているらしい。
「はーいここにどうぞ」
診察用の丸椅子に座るよう促され、シルバーくんはムスッとしながらも腰を下ろした。
ミモザ先生は、聴診器を胸と背に当てて呼吸を聞き、続けて顔色と喉の奥を目で確認する。
普段素直じゃないシルバーくんだけど、診察中は先生に言われるがまま従っている様子がなんだかかわいくて、その光景にこっそりニヤついてしまった。
診察の最後、ミモザ先生は首筋に軽く触れ、リンパの腫れを確認してから小さく息をついた。