第18章 決戦、看病、そして一夜
「シルバーくんも一緒に観戦しない?」
試合後から、一向に会話に入ってこないシルバーくんに話しかけた時だった。
突然、シルバーくんの体がぐらりと揺れる。
「シルバー!」
壁にぶつかりかけたところをNが慌てて支えた。
「大丈夫かい?」
「…なんでもない…少し、ふらついただけだ…」
力なくそう言うと、肩に置かれたNの手を払い、よろけた足取りで進もうとする。けれどシルバーくんはまたすぐに壁によりかかり、グッタリと動けなくなってしまった。
「顔色悪いよ?医務室行こう?」
「だからっ、なんでもねえよ」
相変わらず私にはツンツンだ。
「なんでもないようには見えないね」
と、Nが言いながらシルバーくんの額に手を当てると、驚いたように眉を上げる。
「すごい熱だ…、やはり医務室に行くべきだ」
「いいって言ってるだろ…」
頑なに拒むシルバーくん。けれど、言葉とは裏腹にとても辛そうだ。壁に手をついたまま身動きが取れなくなってしまっている。
Nにアイコンタクトを送る。Nは真剣な面持ちで頷いた。そして、どちらともなくシルバーくんの腕を掴む。右をN、左が私。言葉はなくとも意思が伝わる。これもきっと、普段のチームワークの賜物だろう。
「行こう、N」
「医務室だね、ルートはまかせて」
「……おい、なんだよ…やめろ…ッ!」
いじっぱりくんには強硬手段しかない。
暴言や悪態を無視して、ずるずるとシルバーくんを引きずっていった。