第11章 お祭り騒動
「シルバー!ナナ!」
嬉々とした表情でNが近づいてくる。
細身で長身のN。浴衣をすらりと着こなし、まとめ上げた髪が涼やかな横顔を引き立てている。手にはうちわ、頭にはゾロアークのお面をつけて、すっかりお祭りを満喫しているようだ。
「N、浴衣すっごく似合ってる!色がゾロアークとお揃いだね」
「ありがとう、ナナの浴衣もキレイだ」
Nは私たちを見てニコリと微笑む。相変わらず笑顔が眩しい。
「ふたりでお祭りに来たのかい?」
「ううん、公園で休憩してたら会ったんだ。Nはトウヤくんと?」
「ああ、トウヤが誘ってくれて、トウコと3人で遊んでいた」
「あなたたちがNのチームメイトね?」
トウコと呼ばれた女の子が、声をかけてきてくれた。
「話はトウヤとNから聞いてるわ!よろしくね!」
ハキハキと喋るトウコちゃん。ねじり鉢巻にハッピ姿で、見た目も性格も元気で明るい子だ。
互いに名乗り、自己紹介を終えたところで、トウヤくんが庭園を見渡して感嘆の声を漏らした。
「こんな場所があったなんて知らなかったよ。静かで落ち着いているし、風鈴や池もきれいだし」
「私とシルバーくんも、ニューラのおかげでここにたどり着いたんだ」
と切り出し、トウヤくんたちにかんざしのプチ騒動を説明する。話し終わると、Nがじーっとニューラを見つめた。
Nは時折相槌をうちながら、ニューラの心を読み取っている。
何か驚くことがあったのか、一瞬目を見開き、そして優しげに目を細めた。
「ニューラとおしゃべり?」
尋ねるトウコちゃんに、Nはこくりと頷いた。