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【黒子のバスケ】帝光の天使(中学校編)

第8章 ー天使の涙ー


「んー、何にしようかなー?」

そう言いながら店の奥に向かって進もうとする久遠を見て既視感を覚えた青峰は久遠の腕を掴んで引き戻した。

「お前さ、また店ん中見て回ったら何買うか迷って買えねーぞ。今日はアイス食うぞ、アイス」

そう言って、アイス売り場まで引っ張っていった。
アイス売り場に行ったら行ったで

「わぁー、アイスもいっぱいあるねー」

「お前、それこの前も言ってたからな」

アイスもそれなりの種類があるので、目移りしている久遠は一つに決めてくれるかわからない。

「青峰くんはもう決まってるのー?」

「俺はいつもおんなじの食うんだよ」

「じゃあ、これだー」

久遠はソーダ味のアイスを青峰に渡した。

「お、よく覚えてたな?」

「うん!美味しそうだなーって思ってたからー」

「んだよ、なら言えよ。そしたら俺も一口くらいやったのに」

「久遠もこれにしようかなー?」

青峰の『一口やる』発言を華麗にスルーして久遠もソーダ味のアイスを手に取ろうとする。
もう久遠との真っ当な会話のキャッチボールを期待していない青峰はハイハイと諦めた様子だったが、ふと何を思ったかソーダ味アイスを取ろうとする久遠の腕も掴んでそれを阻止した。

「?」

不思議そうに見上げてくる久遠に少し居心地悪さを感じつつも見返してやる。

「ソーダ味が食ってみてぇなら一口やるから、お前はお前の食いてぇもん選べって」

別に同じ物を食べたっていい。
黒子もいつも同じソーダ味のアイスを食べている。
久遠が食べてみたいなら口出す必要なんてない。
しかし、何故だか青峰は他人の意見に左右されない久遠の選択を見てみたくなった。
それがただのアイスを選ぶということであっても。

青峰の言葉を聞いた久遠は両頬をプクッと膨らませた。
そして「んー…」と唸りながらアイスのショーケースとしばらくにらめっこしていた。
数分後、久遠の頬を膨らませていた空気が口からプシューと出てくると

「これにするー」

そう言って笑顔で手にしたのはバニラアイスにチョコレートがかかっているものだった。

「よし、じゃあレジ行くぞ」

「うん!」

嬉しそうな久遠がレジへスキップしていった。
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