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【DC】殺し屋と一緒。【安室透/降谷零】

第1章 殺し屋



その日は雨が降っていて、夜10時を過ぎると雷も鳴り出していた。

裏切り者を始末する命令をジンから受た僕は、
いつも通り殺人現場を偽装する手筈を進めていた。

どこで監視されているかわからないため、
裏切り者を殺すふりをして
新しい戸籍を与えて海外へ逃亡させる。
雨の日なら視界も悪く、偽装殺人だとバレる可能性も低い。

今回も大丈夫なはずだった。
一通り取っ組み合いをし、拳銃を彼に向け空砲を放つ。倒れた彼の胸からは準備したとおり血糊が滲んでいた。後は死体処理と称してNOCの仲間がやってくれるはずだ。


計画通りだった。
ただ一つ、この現場をある女が見ていたこと以外は。


膝をつき、死んだふりをした彼の目を見つめる。
すると後ろからザザっ、と地面が擦れる音がした。
振り返るとそこには傘を持った女が立ちすくんでいた。



…しまった。


レインコートのフードからはその人がスカートを履いていることしかわからない。近づくと、彼女は後退りをして踵を返して走り出した。



「っチ」と舌打ちをし後を追いかける。

女性の足に追いつくのは簡単で
僕はすぐに彼女の腕を掴んだ。




「いやっ、」


小さな抵抗の声に少しだけ耳を奪われたが、そのまま近くの廃ビルに連行する。
ダンッと彼女の背中が壁に当たる音がして、僕は彼女の顎を持ち上げたが、暗くてよく見えない。


「あの現場を見たか。」

僕が口を開くと
彼女は小さく震えていた。


「み、見てません、」

狼に睨まれたうさぎのようにか弱い声を出し
彼女は明らかな嘘をついた。

現場に居合せ関係者になってしまった彼女を
このまま帰したら組織に狙われるかもしれない。


一通り追い詰めて口止めをして、
彼女の動向を風見にでも見張らせよう。
そう頭の中で考え、

嘘をつくな、と追い詰める言葉を吐こうとした
その時、


ピカッ


っと雷が僕らを照らした。
空が光ったその一瞬、目に写ったのは



白い肌に濡れた黒い髪
大きな目に涙を浮かべて溢れるのを必死に堪えた
少女のような女性だった。



その美しさにコンマ数秒の時間が永遠のように長く感じた。









「…あ、ふるや、れい、?」


でも、彼女が小さく呟いたそれは
僕の心拍数を急激に上げ、現実に一気に引き戻した。
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