第3章 雪と事件
「「「北丿沢村スノーフェスティバルです〜!!」」」
「あ!走ったら危ないよー!」
約5時間の運転の末、お昼すぎについに目的地へと辿り着いた。
あたりは一面の雪景色で、息は白くて鼻は冷たいけど空は青く、とても気持ちがいい。
子供達は走ってペンションへと向かっていき、
私と昴さんで荷物を下ろしていると、後ろから女性の声がした。
「もしかして、昴さんの言っていた阿笠博士の代わりに来てくれたお友達さんですか?」
振り返ると髪の長い感じのいい女の子と前髪を上げた二人の高校生くらいの女の子がいた。
「そうです、ハルと言います。今回はみなさんの旅行に急に参加させてもらっちゃってすいません。」
3日間よろしくお願いします、と頭を下げる。
「いえいえ!大人一人分勿体なかったですし、こちるこそ子供たちも多いのにきてくれてありがとうございます!私、毛利蘭です。こちらは友達の園子で、あそこにいるのが父の毛利小五郎です。」
手で示された先には荷物が突っかかってしまって出すのを苦戦している男性。
「あ、あの有名な眠りの小五郎の!」
その名前に反応して、小五郎さんはすぐさま私の方にやってきた。すると勢いよく私の両手を胸の前で掴んだ。
「なななんと美しい!
わたくしが、あの名探偵、毛利小五郎です…。
ぜひ、この後食事でも…」
「あ、はい、みんなで、ぜひ」
ず、随分と元気な方なんだな、と少し困惑していると娘の蘭ちゃんが小五郎さんを引きずり剥がしてくれた。
「すいません!もう!お父さんったら!!」
そう言ってお父さんを叱る蘭ちゃん。
怒気の中にも仲の良さみたいなのを感じて、少し羨ましくなる。
…いいなぁ、家族って。
あまり思い出すことのなかった、自分の父親を思い出す。
そう言えばウィンタースポーツはお父さんに教えてもらったな。
少しの間思い出にふけってしまった。
「チェックインはまだだから、みんな、荷物だけペンションに置きにいこっか!」
「「「はーい!」」」
元気な返事で私たち一行は一緒にペンションまでの雪を踏んだ。
昴さん以外みんな初対面だったけど、そんなに気まずくなく過ごせそう。
少し羽が伸ばせそうで、私の気分は高揚していた。