第116章 *7.5章〜休息の冒険者〜*
『....ありがと。やっぱりエースは優しいね』
エース『トーゼン。てかオレが優しいのはいつものことっしょ?』
『んふふ..ん、そうだね』
グリム『オレ様だけのユニーク魔法かぁ..はあ、夢が広がるんだゾ〜』
エース『グリムのことだし、どうせ”食ったら食っただけ体が縦にも横にもデカくなる”みたいな、くだらない魔法になるんじゃねーの?』
セベク『はっ!あり得る話だ。こいつは寝ても覚めても食い物の話ばかりだからな』
グリム『にゃにおぅー!そんなカッコ悪いユニーク魔法、絶対嫌なんだゾ!』
『2人ともグリムをいじめちゃダメ。グリムだってきっとすごいユニーク魔法が使えるようになるよ』
グリム『そうだそうだ!今に見てろよ。いつか誰もが羨むスゲーユニーク魔法を使えるようになって..オレ様が、全員かる〜く捻ってやるんだゾ!』
ユウ『食べただけ大きくなる魔法も、使い方によっちゃいいと思うけど...まあ、習得するの頑張ろうね』
ーーその日の夜
誰もが寝静まった夜に、その影はオンボロ寮の一室から抜け出し、音もなく外へと飛び出した
石の階段を駆け、草むらを進み、鏡舎へと入っていく
四方を囲む7寮への入り口。深夜ともあっていつもぼんやりとしか灯っていない鮮緑の炎が灯った燭台も今はその色をいっそう濃く、そして怪しげに揺れていた
影はその1つに近づくと、なんの躊躇いもなくその大きな姿見を潜る
たどり着いたのは荘厳な城が建つディアソムニア寮
石畳の城門を進みながらその鼻をひくつかせながら、キョロキョロと何かを探しているのか忙しなく辺りを見渡す
すると城へと続く石橋の隅に鈍い黒い光がその目に留まり、瞬間その影は淀んだ空色の瞳を歓喜に歪ませた
?『イシ..イシダァ!!デッケェ..ジュルッ..ヒヒ、ヒヒヒヒッ!!』
闇夜にも負けない黒黒としたブロットの塊の大きさに影の口は裂けんばかりに吊り上がり、その隙間から覗く鋭い牙がギラリと光る
そして塊を求め飛びつこうと足に力を込めた
だがそれよりも先に、真っ黒な手が真下から伸びるとブロットの塊を掴み上げ、そのまま石畳の中へと吸い込まれるように消えていってしまった