第115章 *閑話カームデイ16 〜リドル~*
頭の天秤がぐらぐら揺れ、躊躇うレイラにもう一度誘いの言葉が投げかけられると、ついには我慢できずにその胸に飛び込んでいった
『リドルさん..会いたかった..っ!』
リドル『ああ。ボクも君に会いたかった』
『私..リドルさんに....』
?『[ああもう、君には本当に腹が立つよ]』
リドル『!!なにを...ぐっ!!』
勢いよく胸ぐらを掴まれ抵抗する間もなく地面に押し倒された。背中に走る痛みに顔が歪み、突然暴力的な行動に走ったレイラを信じられないものを見るような目で見上げる
しかし、それはリドルのよく知るレイラではなかった
上に跨がられ間近に迫った深紅の瞳からは光が失われているのに、その虹彩は逆に鮮やかさを増していて、燃えるようにゆらゆらと揺れている
リドル『お前、は..!?』
ニタリと笑う妖しい笑みが危険を孕む雰囲気にどこか覚えがあった。あの日、オーバーブロットし暴走していた自分に襲いかかった、巨大な影のような黒い兎を操るレイラの皮をかぶった別の存在
『[久しぶりだね、嫌われ者の暴君]』
リドル『あの時の黒兎っ!!』
『[う〜ん。それも良いけど、呼び名は変えてくれる?今の僕は、ノアって素敵な名前を貰ったんだからさ]』
リドル『っ!なにをふざけたことを..!オフ・ウィズ...むぐっ!?』
杖を翳すリドルの手を何もない空間から現れた闇の手が押さえつける。それだけではなく口や体の至る箇所を闇の手に押さえられ身動きが一切取れない
なんとか魔法封じでノアを鎮めなければと腕を動かそうとするが、闇の手は強引に杖を取り上げると花畑の奥へと放り投げてしまった
魔法石なしのユニーク魔法は体への負担が大きい。いくら焦りと怒りに思考が埋め尽くされているリドルでもそれは分かっていて、だからこそ抵抗できない状況に顔をしかめて強く睨む
『[酷いなぁ。いくら僕が表に出てるからって、この子に2度..いや、夢の中も合わせれば3度かな。その首輪を填める気かい?]』
リドル『っ..!』
『[散々好きとか愛してるとか甘ったるい事を言ってた割には、少し戯れついただけで首をはねるんだねぇ。ああ怖い怖い]』