第115章 *閑話カームデイ16 〜リドル~*
パシッと腕を掴まれ逃げようとした体が引き止められる。小柄な見た目に反して力強い腕は抵抗しようと少し動かしてもビクともしない
リドル『...頼むよ、どうか逃げないで。少しだけでいいから時間をくれないかい?君に、ちゃんと謝りたいんだ』
『...私、は』
リドル『レイラ...』
『私は、リドルさんに..会いたくなかった』
リドル『っ..!ああ、分かっている。そう思われても仕方ないことは承知の上だ。それほどの事をした自覚はあるよ。だからこそ、君と話がしたい』
『......』
おいで、と手を引く優しい声に大人しく着いていくと、持ち出した本がひとりでに浮き上がりそれぞれの棚へと戻っていく。ペンを軽く振るい胸ポケットに仕舞うと、リドルはどこか緊張した面持ちでレイラを連れて図書室を後にした
ハーツラビュル寮・秘密の花園
連れられるままハーツラビュル寮に足を踏み入れると、そのまま庭を通り越し広い花園へと辿り着く。そこは以前もリドルがオーバーブロット謝罪のために連れてきた秘密の花園
一面に広がる色とりどりの花が風に吹かれ小さく揺れ、心地よい風が2人の間を優しく吹き抜ける
そのおかげか互いに少しだけ緊張がほぐれたのか、リドルは深呼吸してレイラに向き直る
リドル『まずは君の体調が一時的とはいえ良くなって、学園に戻って来てくれた事を嬉しく思うよ。君がブロットを吐いて倒れたと学園長から聞いた時は動揺して頭の中が真っ白になったよ。
あれから体調の方はどうだい?』
『ん..平気』
リドル『良かった。ずっと心配だったんだ。エースたちから君のことは聞いていたけれど、こうして自分の目で確かめられてとても安心したよ』
『リドル、さん...』
リドル『なんだい?』
『私、やっぱり帰りたい...』
リドル『!!』
静かに告げられた言葉に隣で息を呑む音がやけに大きく聞こえる。スカートを握りしめ俯く表情はあまりにも苦しそうで、思わず"分かった"と言ってしまいそうになる
そんな言葉を慌てて飲み込んで正面に回り込み、逃さないように小さな手を握った