第114章 *閑話カームデイ15 〜騎士’s~* 注:裏表現
セベク『リリア様っ!僕は、な、泣いてなど..!』
グリム『思いっきりボロボロ泣いてんじゃねーか。相変わらず素直じゃねーやつなんだゾ』
セベク『うるさい!!くっ..おい、シルバー!貴様も黙っていないでなにか言ったらどうだ!』
照れ隠しに乱暴に袖で涙を拭って隣に立つシルバーに吠えかかる。しかし当の本人はそれでも口を開くことなくただレイラを見つめるだけだった
何度声をかけても喋りも動きもしない様子についにしびれを切らし、リリアは腕を掴んで自分たちの前へと放るように押し出した
シルバー『!?』
リリア『しゃきっとせんか!まったく..いつまでもそんな顔をしおって。責任を持ってレイラを救うと決意したあの日の言葉はどうしたんじゃ?』
シルバー『..俺は..』
『シルバーさん』
いつの間にか目の前に立っていたレイラが両手を取り優しい力で握る。小さな手から伝わってくる温もりがじわじわと体全体に広がり、シルバーはハッと我に返るように顔を上げた
レイラがここにいる
いつもと変わらない姿で立っている
そう感じた瞬間、目の前が歪み熱いものが一気に込み上げる。褪せていた景色が色づきだし、同時に歓喜の震えが全身に回っていく
シルバー『レイラっ!!』
『わっ!わわわっ!?..ぎゃっ!』
『『『!!??』』』
突然突進されるような勢いで抱きつかれその場に尻餅をついた。痛みで変な声を上げたレイラも周りも何事かと思っていると、首筋に顔を埋めて震える唇を動かしシルバーは一筋の涙を流す
シルバー『..っ、かった。戻って、きてくれ..本当に、良かった..っ!』
『シルバーさん..』
視界には体の震えに伴って小刻みに揺れる透き通った銀髪と、彼の肩越しに固まるセベクとリリアの顔だけでシルバーの表情は見えない
けれどその声色と体、抱きしめる腕の強さが全てを物語っていた
いくらその場で決意を固め奮い立とうとも、ちゃんと自分の目で無事に戻ってきた姿を見れたことへの嬉しさの前では、いとも簡単に崩れ落ちてしまう
ほぼゼロ距離になったことで香る愛おしい人の匂いに更に感情が昂り、こぼれ落ちた雫がいくつも床に黒いシミを作り出す