第113章 *閑話カームデイ14 ~ルーク~* 注:裏表現
絞り出すような願いを口にして広い胸に頬を寄せる。トクントクンと規則正しく脈打つ鼓動に耳を澄ませ、返事を待っていると僅かに息を呑む音が聞こえ、同時に後頭部がゆっくりと撫でられていく
ルーク『レイラくん。嘆きの島でのことを覚えているかな?』
『ぇ..ぁ、ん』
ルーク『休息中に2人だけで話したあの時、君は"ちゃんとしないと"と言って、私達の役に立つことに固執していたね。そして今も"良い子"でいなくてはと』
『だ、だって役に立たないと、良い子にならないと...』
ルーク『自らの非や短所を認め、それを改める"善"であろうとする姿勢は、間違いなく君の素晴らしいところさ。
だけれど私には、いや、私達には君が"善"であろうとする必死な姿は、どこか酷く苦しそうに見えてしまうよ』
『...』
心臓が嫌な音を立てる。喉に言葉がつっかえ重い圧迫感が一瞬走った。"良い子"であろうとする自分の必死さが、逆に大好きな人たちを不安にさせたことに気が深く落ちていく
良い子でなければ嫌われる
良い子であろうとすれば不安にさせる
どちらにいっても辿り着く先は同じだった
『っ、じゃあどうしたらいいの?どうしたら、みんな笑って、安心して、愛してくれるの?
わかんないよ』
ルーク『すまない。困らせるつもりはなかったんだ。周りから愛されようと努力する君の姿は美しく尊いけれど、時折苦しそうにしているのがどうしてもこの胸に引っかかってしまうんだ。
無理矢理自分を繕う必要はない。素直な、ありのままを曝け出すのもとても大事なことさ』
『..わがままで自分勝手にしても、好きでいてくれる?』
ルーク『ウィ。勿論だとも。寧ろ、もう少し私も含め、周りを"信頼"してほしい』
『信、じる?』
ルーク『少しだけでいい。自分の心を晒して、預けることも信頼という名の愛さ』