第112章 *閑話カームデイ13 ~騎士’s~*
互いの同意がなければ治療は行わない
その制約に異議はない。倫理的にも互いにとっても遵守すべきことだ
だがレイラへの愛を自覚した今、もし拒まれたら..
僕は平常でいられるだろうか
セベク『問題ありません。他の誰でもないレイラが相手ならば、礼節を以て触れるつもりです』
リリア『くふふ、目つきが変わったのう。パーティーでの決意のおかげか、すっかり"恋する男"の顔つきじゃ』
セベク『っ、そ、そんな締まりの無い顔をしていましたか?』
リリア『いいや、逆じゃ逆。精悍で覚悟に満ちた良い顔になっておる』
マレウス『ふっ。僕たち4人の魔力と愛を与えてやれば、きっとレイラの治りも早い。学園に戻ってきたら、ディアソムニアに招待して思う存分甘やかしてやるとしよう』
リリア『それなら、あやつが好きそうな菓子を沢山買っておかねばな』
シルバー『.........』
セベク『シルバー?何故ずっと黙っている。貴様も選ばれたからには心を決め....』
無言で床を見つめ動かない顔を覗き込む。すると、信じられないものを見たように、やつの瞳は動揺で揺れ動いていた
あの顔は、見覚えがある
茨の国と敵対する銀の梟。そこに属する夜明けの騎士が血の繋がった父親だと知ったあの時
驚愕と絶望で今にも崩れ落ちそうな焦慮感に満ちた顔だ
〔シルバー〕
目眩がしそうだった
マレウス様のご説明..いや、S.T.Y.Xの見解通りなら、レイラがブロットを吐いて倒れたことは...
いや、もっとその前から
夢渡の旅の最中、頻繁に見せた挙動不審な行動や辛そうにしていたあれら全ての原因は
俺だったということなのか
全身の血の気が引いていく。指先が凍りつきそうなほどに冷たくなって、呼吸すら震えて上手く出来ない
俺はなんて愚か者なんだ
何度も"お前を守る"と言っておきながら、守るどころか守られて、挙げ句に自分の手で傷つけていたなんて