第111章 *幕間の章*
カリム『ユウ...』
ユウ『魔力のない僕は、何よりも大切な人を助けことも出来ず、ただ見ていることしかできないんだって思うと、改めて自分が役立たずで情けないって感じましたよ』
ユウの独白に鏡の間が重苦しい空気に包まれる。自分たちが当たり前に扱えるからこそ、その力を持たないユウの苦悩や悔しさを正確に測れる者はいない
だからこそ、彼はそれを承知の上で敢えて下手に甘い言葉をかけることはしない
ヴィル『確かにあんたは魔力を持っていない。それは変えようのない事実。どんなに悔しくて嘆こうが、あんたがレイラを治療をすることはできないわ』
ユウ『.....』
ヴィル『それで、直接救えないからって不貞腐れて何もせずにいるつもり?それこそあんたの言う役立たずで情けないやつよ。普段からアタシたちにも平気で気丈に振る舞うあんたらしくもない。
出来ない事を嘆く暇があったら、出来る事を探すのに注力しなさい』
リドル『そうだね。僕らは魔力で彼女を助けることはできるけれど、君のように朝も夜も授業中も放課後も関係なく、常に側に寄り添い寝食を共にして守り支えることはできない』
ユウ『...側にいるだけって何か意味はあるんでしょうか?』
イデア『それが意外とあるんすわ。
魔力の分与はあくまで魔力回路と肉体的治療。それに伴う疲労やストレスは別でケアする必要がある。
本当はこれが終わった後に言うつもりだったけど...ユウ氏にはその役を担ってもらう。ヒロイン氏のメンタルケアと生活のサポート。まあ、今までと同じように過ごしてくれればいいよ』
ユウ『今までと同じ.....』
ヴィル『納得いかない?勿論アタシたちも治療に乗じてメンタルケアをするつもりだけど、それでもあんたが側にいる方が、断然あの子は安心するの。悔しいけれどね』
リドル『正に君にしかできないことだよ。胸を張って誇っていい』
ユウ『..........』
他の寮長たちも賛同するように頷いたり穏やかに目元を緩ませる。かけられた言葉を思い巡らすと、自分だけという嬉しさとそれでも拭いきれない不安が入り混じり複雑に顔を曇らせる