第111章 *幕間の章*
オレンジに染まる髪が怒りを表すように燃え盛る。苛立ちに目を吊り上げベッドに身を乗り出したことで縮まったレイラとの距離も気にせず、イデアは唇をグッと噛み締めた
イデア『....それに、君には早く治って貰わないと困るんですわ。ここに運ばれてきた時から気分は全然落ち着かない、やっと作れた隙間で日課のデイリーをこなしても、頭の中は君の容体のことばっかで集中できない。気がついたらゲーム画面が君のバイタル表示に変わってるんだよ。
まあ推しのことが頭から離れないのは、至極正常なことですが..』
段々抑揚を失っていく声のままフヒッと力なく笑うと、布団越しにレイラの胸に静かに倒れ込んだ
イデア『ーーお願いだからさ。これ以上僕らの心配を増やさんでくだされ。怖いんだよ...あの時はいつ死んでもおかしくない位危険な状態だったんだから』
『お月さま...』
弱音を吐き寄りかかってくる珍しさに驚きながらも、燃える髪に手を伸ばしてそっと撫でる
『(熱くない。フワフワしてる)』
燃えているのに熱さを感じない不思議な感覚に少しだけ表情を緩め優しく頭を包み込むと、腕の中の体がピクッと大きく震えた
イデア『(ゑ!?なんでヒロイン氏に抱きしめられて.....ぁ)』
ようやく自分のした行動に気づき、サアっと血の気が引いていく。慌てて離れようと体に力を入れると、抱きしめる力が強まった
イデア『あ、あの..いきなり胸に倒れ込むとかキモくてドン引きした、よね?す、すぐ退くから早く離してくれると..』
『..だめ』
イデア『何故に!?』
『お月さまのことギュってしてたいから。
..心配してくれてありがと。迷惑かけてごめんなさい』
イデア『......され』
『ん?』
イデア『学園に戻って"治療"とか生活で何かあったら、すぐに報告してくだされ。で、出来るだけのサポートはするんで』
『ん。ありがと』
イデア『ヒエッ...』
一層強まる抱擁でダイレクトに伝わる胸の柔らかさや鼓動にドギマギしていると、ふわっと香ってきた好みの匂いに目が甘い色を乗せてとろんと溶けていく