銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第21章 バレンタインなる物があるらしい
「アンタのサイドエフェクト【共鳴】は諸刃の剣でもあるの。大勢の人の全てを読む度に昔の記憶が少しづつ消えていく。最初は些細なことだったわ。例えば昨日食べたおやつが何だったか忘れているとか。でも5年前のあの時から【共鳴】はアンタに牙を向き始めた。灯影の死をきっかけにコントロールが効かなくなったの。勝手に記憶を貪り食い、勝手に共鳴する。だから隔離するしかなかった。鬼怒田さんが薬を開発してくれるまではずっとアンタは記憶が消えては暴走する。その生活を送っていたのよ。だから大半の記憶が消えた。父親が死んだことも忘れたこともある。だから消えた記憶を残しておくためにこの資料を作ったのよ。まぁ今は全部消えちゃってるんだけどね。」
どうやらアフトの人体実験で記憶を消すわけではないみたいだな。
玄界ではサイドエフェクトで自然と記憶が消えていたのか。
『そうか……』
今は記憶は完全に消去されているはずだ。
それが何故かこの部屋を訪れた時懐かしさを感じた。
そういう無意識の感情等は消されてないのか、玄界に来てよく思うようになっていた。
「話はここまで。資料が見たかったら城戸さんに許可取りなさい。今の捕虜であるアンタにはコレは見せられないわ。せめて記憶が戻ってからね。」
小南は海影から資料を取り上げると本棚に戻す。
そして海影の背中を押しながら1階へと戻るのだった。