第69章 未来(火神大我)
気づけば誰かに抱きしめられていて。状況が掴めない。
「…黒子、お前何言ったんだよ」
「すいません火神くん、龍ヶ崎さん泣かせてしまいました」
「んなの見りゃ分かんだろ。」
”火神くん”そう言った黒子くんの言葉に、相手が火神くんだと分かる。
「…黒子、」
「分かってます。火神くんこそ頼みますよ」
「…あぁ。」
黒子くんの立ち去る足音にふたりきりになったと気づく。
「…火神、くん」
「…俺さ、」
「…ん?」
「俺、お前が青峰と中学時代付き合ってたこともマネージャーしてたことも全部黒子に聞いてんだ。」
「っ…!」
「恋愛に臆病になってるのも見てりゃ分かったし。それでも俺は龍ヶ崎が好きだ。」
2回目の告白を、まさか抱きしめられながら聞くとは思わなくて。
マネージャーになってからまだ短いけれど、火神くんは火神くんで、きっと彼なら大丈夫、そう思えている自分がいた。
それと同時に光り輝く彼のそばに居たい、そう思うようになっていた。
「…俺なら絶対泣かせねぇから。」
「…火神くん、」
「ん?」
「えっと…その……」
「どうした?」
「わ、私も…」
「あぁ」
「火神くんが…好き、です」
その一言で、勢いよく身体を剥がされて。
「ほ、ホントか!?」
「う、嘘でこんなこと言わない…」
「そうだよな!…って、顔見れねーんだけど」
「だ、だって近い…!」
「照れてんのか?可愛いな」
”可愛い”その言葉に顔に熱が集まるのが分かる。
「ちょ、火神くん…わぁ!?」
「…すげー好き。」
「っ…うん」
再び彼の腕の中に閉じ込められて。
ドキドキと鳴り止まない自分の心音と、聞こえてくる火神くんの心音に居心地がいい。
「…幸せにすっから」
「…っ!」
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それからと言うもの、次の日から毎日お昼ご飯を一緒に食べて。
部活終わりに一緒に帰った。
こんな幸せでいいのかな、そう思いながらも少しまだ不安はあった。
「ん。」
「え?」
「だから、手」
「え…あ、うん」
付き合って1ヶ月した部活帰り。初めて火神くんと手を繋いだ。