第69章 未来(火神大我)
「…」
「…ゆっくりでいいから、今は返事しなくていい。」
「…え?」
「絶対に振り向かせてみせるから。」
だから、な?とそう言う彼の瞳から目をそらすことは出来なかった。
__________
あれから数ヶ月。
毎日のように私の元に来る火神くん。
青峰くんと別れてから、恋愛に臆病になっていたはずの自分。
でも、心のどこかで火神くんに少しずつ惹かれていく自分がいた。
そう、青峰くんと火神くんは違う。
そう分かってはいても、もし火神くんが自分の大きすぎる力に耐えきれなくなったら私はまた_______
そう思えば思うほどどうしていいか分からない自分もいた。
試合を見に来て欲しいと言われて、最初は戸惑った。
だって相手が桐皇だったから。
圧倒的な力を見せつける青峰くんは、あの頃より確実に遠い存在になっていると実感して。
それと同時に、諦めない火神くんをもっと間近でみたい、なんて思いが駆け巡っていた。
「え!!マネージャーやりたいの?」
「…ダメでしょうか?」
「そんな訳ないじゃない、大歓迎よ!!」
ダメ元で監督の元に行ってみれば、めちゃくちゃ歓迎された。
「龍ヶ崎!」
「火神くん、」
「今日からだってな、宜しくな」
そう笑いながら私の頭をひと撫でしていく。
「…火神くん嬉しそうですね」
「…黒子くん!?」
「あぁ、すいません驚かせました」
…火神くんの言った通り、急に現れるんだ黒子くん。
「宜しくお願いします、龍ヶ崎さん」
「マネージャーとして頑張るね!」
人数分のスポドリを用意したり、ボールを磨いたり、洗濯したり。
マネージャーって思った以上に大変だなとは思ったけど、全然苦じゃなかった。
むしろ、こうすれば皆が喜ぶかな?とかそういう思いの方が強くて楽しくて。
「…なんだか懐かしいですね」
「あ、黒子くん」
「帝光時代を思い出します」
…あぁ、そうだった。あの頃、臨時とは言え少しの間マネージャーしてたんだ、なんて思い出して。
「すいません僕、余計なこと言いました」
「へ、あぁ…だい、じょうぶ」
…やばい、どうしよう。吹っ切れたはずなのに、涙が零れそう____
「…龍ヶ崎!」