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Amor vincit omnia__愛の勝利

第69章 未来(火神大我)




「…え、今なんて」

「…悪ぃ、別れてくれ」


そう告げた彼の後ろ姿をただ見ているしかできなかった。














「…最悪。」


中学の頃、付き合っていた彼に振られる夢で目が覚める。
私は彼に何も出来なかった。
中学生なのに中学生離れした能力で、それに耐えきれなくなった彼。
支えることができなくて、ただそばに居ることしかできなかった無力な自分。





「…青峰くん、」







_____________






久しぶりに夢で見た青峰くんのせいなのか、今日1日は最悪の連続で。

提出物は忘れるし、さっきの体育では派手にこけるし。

憂鬱な気持ちで保健室に向かう。




「…あれ、先生いないの?」



保健室の扉に”不在”の文字。まぁいいか、そう思いながら扉を開ける。



「…んー、消毒液どこよ」



痛い足を引きずりながら仕方なく棚を漁る。




「お、いたいた。」



ふいに扉が開く音がして振り返る。



「…え、火神くん」

「大丈夫か?足、」



大丈夫、と言いたいところだけど何で彼がいるのか。



「一応保健委員だしな。」




私が言いたいことが分かったのか、彼は少し笑いながら棚の1番上に手を伸ばした。



「座れよ、消毒してやる」

「え…あ、いいよ自分でする」

「…いいから」


火神くんに促されるまま、椅子に座る。
ふたりきりの空間、どうしていいか分からずに下を向くしかなかった。



優しい手つきで消毒していく火神くんの手。



「…っし、出来たぞ」

「ありがとう、火神くん」

「おう」

「…えっと、どうしたの?」




終わったと思って立ち上がろうとした時、ぎゅっと手を握られた。




「…火神くん…?」

「…なぁ、何かあったのか?」



そう聞かれて彼の顔を見ることが出来ずに俯いた。




「…何があったか俺には分かんねーけど、俺には無理なのか?」

「…え、どういう___」

「俺、龍ヶ崎が好きだ。」

「…っ!!」



思わず顔を上げれば火神くんのこちらを真っ直ぐ見つめる瞳と目が合った。




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