第1章 君の中に墜ちる
政府の打診では、この本丸の修復は不可能に近い、とのことだった。
よって、新しい本丸に引っ越すことが最善だ、と。
短刀達の瞳からは涙が零れていて、それを悲痛な表情をした一期一振が慰めている。他の刀剣も涙は流さずともその表情は暗く沈んでいた。
私も皆と同じようにショックだった。損傷は酷いけど、なんとかすればまたここで暮らせるのでは?と淡い期待を抱いていたから。
寂しくてどうにかここに残れないかと頼んでみたけど、こんのすけは首を縦に振ってくれない。
「ねぇ、お願い…!」
「お気持ちはわかりますが…」
「こんのすけっ」
「あんず、もうやめなさい」
「だけど歌仙っ」
「こんのすけも僕達と同じように辛いはずだよ、だから、ね」
「…っ」
落ち込む私に歌仙が「住む場所以外は何も変わらない。新天地でまた思い出を作ろう」と今にも泣きそうな笑顔で言うものだから、それ以上は何も言えなくなってしまった。
審神者就任後から丸4年暮らしてきた思い出一杯のこの本丸を離れるなんて辛いけど…こうなってしまっては仕方がないんだ…と自分に言い聞かせる。
「それで…引っ越しはいつなの…?」
「早急に準備は進めているとのことですが、まだ何とも」
「そう…」