第1章 君の中に墜ちる
【#7 愛し君】
「あんず様!」
大倶利伽羅と別れた後、広間に行くと私の姿を見た秋田が目に涙を一杯溜めて胸に飛び込んできた。
「無事で良かったです!僕、あんず様が目を覚まさないんじゃないかって心配で心配で…っ、わあぁぁん」
「ごめんね秋田っ」
秋田の体は震えていた。
その小さい体を抱き締めると秋田の温もりが伝わってくる。傷だらけで今にも死にそうになっていた秋田を思い出し、その温もりを確かめるようにぎゅっと強く抱き締めた。
「秋田…元気そうで本当に良かった…」
「はい、あんず様のお陰です。……あんず様が気を失ってから、とにかく皆心配していました。僕、側に居たかったけど本丸は見ての通り損壊がもの凄くて、」
「うん……皆で片付けたり、ご飯の用意とか色々大変なんだよね…秋田も手入れ直後で本調子じゃないのに…ごめんね、ありがとうね…」
私から離れようとしない秋田の頭を撫でながら、広間を見渡すと皆の姿があった。
手入れしていた時はとにかく必死だった。だから皆が誰一人折れることなくここに居るこの光景に心底安心する。
「皆…ありがとう…」
「あんず様!これからのことですが…」
温かい空気に包まれている中、再びこんのすけが姿を現し今後のことについて聞かされた。