第1章 君の中に墜ちる
こんのすけは鼻にしわを寄せ、毛を逆立てながら尻尾を軽くバタつかせ不機嫌そうしながらも「今後あんず様を悲しませるようなことがあれば、見合い話をたんまりお持ちしますから」と捨て台詞を吐く。
それに対して大倶利伽羅はピクリと片眉を動かしたあと、ふん、と鼻を鳴らし受けて立つ、とばかりに私をその腕の中に引き寄せた。
信じられなくて、夢のようでただその大好きな温もりに身を任せていると、「大倶利伽羅様、あんず様をよろしく頼みますよ!今後については後で広間で話すことにします」そう言って、こんのすけは瞬く間に部屋を後にした。
「大倶利伽羅…」
名を呼ぶと、ああ、と短い返事をした彼は愛おしそうに私を見る。
「これ…ありがとう。大倶利伽羅に守ってもらっているみたいで心強かった」
「そのつもりで預けたからな…」
そう穏やかに応える大倶利伽羅の首にそっとネックレスを返すと、彼は私の額に軽いキスを落とした。
恥ずかしさと幸福感とがない交ぜになり、なんとか自分の感じている幸せをもう一度伝えたくて…
ぎゅっと大倶利伽羅に抱きつき、その胸に顔をすり寄せた。