第1章 君の中に墜ちる
「後であんたを貰い受ける…」
「……っ」
視線の先に熱を孕んだような金があり、ゆっくりと近付いてきてもう一度柔らかい感触が唇に触れた時…
間が悪いのか良いのか、「あんず様!お目覚め早々申し訳ありません。これからの事ですが、」と言いながらこんのすけが突如現れ、大倶利伽羅の動きが、唇が軽く触れ合ったままピタリと止まる。
慌てて大倶利伽羅を押し退けるも、私たちを見たこんのすけは一瞬目が点になっていて、すぐに状況を把握したのか微妙な空気が流れた。
「あ、の…こんのすけ」
「…」
「こ、こんのすけ…?」
暫しの沈黙に包まれて、その空気に耐えられず口を開くと、こんのすけはそういう事でしたか、と、やれやれと言った風に私たちを見た後、にっこりと微笑んだ。
「あんず様、幸せになって下さいね」
「こんのすけ…いいの…?」
「てっきり反対されると思っていたんだがな」
大倶利伽羅がそう言うと、こんのすけは少しムスッとしながら答える。
「良いも悪いも正直申し上げますと非常に不本意ですが!!……反対したところで何になるのです?あんず様は大倶利伽羅様が良いと仰っているんでしょう?…なら仕方ないじゃないですか……それに、私は政府の遣いではありますが、それ以前にあんず様の一番の理解者なんですからね!」