第1章 君の中に墜ちる
お礼を言って、今度は私が大倶利伽羅の手を両手で握り返すと、ピクリと反応されたけど跳ね除けられなかった。
「刀だって、そんなこと承知の上です…」
「あんたは……わかっていない」
「……この襲撃で何度も危ない目にあって思い知らされたの…大倶利伽羅にもう、会えないなんて絶対嫌だって…私には耐えられないって…」
「俺は…あんたが顕現を解いたら只の鉄の塊だ」
「鉄の塊だろうが、そんなの…関係ないです。私は……大倶利伽羅が好きです。大倶利伽羅しか好きじゃない…」
刀だから?だから何だというのだ。そんな事は百も承知だし、その事でこの気持ちは変わったりなどしないと、震える口を何とか動かして言葉を紡ぐ。
だけど見上げた先に彼の苦い表情があったらと思うと怖くて仕方がない。大倶利伽羅の顔を見ることが出来なくて、俯いたまま握っている手から目を離すことが出来なかった。
一度拒絶に似たような言われ方をされている。また同じようなことを言われたら私はもう立ち直れないだろう。心臓が大倶利伽羅にも聞こえているんじゃないかと思うほど煩くて、胸が今にも張り裂けそうだった。
刀だからあんたの想いに応えることは出来ない
あんたのことは好きじゃない
そんな感情を向けられても迷惑なだけだ
そうはっきり言われたら…私は…